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診療案内 - 3Dスキャナー

3Dスキャナー

 歯科で用いる3Dスキャナーには、モデルスキャナー(型を取って製作した模型をスキャンするタイプ)(図1)と、口腔内スキャナー(直接口腔内をスキャンするタイプ)(図2〜9)(ビデオ1)があります。後者は模型をスキャンすることもできます(図10)。従来は歯科医師と技工士との間で口腔内の情報を伝える手段として、患者さんの口腔内から採得した上下の模型と、上下を咬み合わせたシリコンバイト、そしてフェイスボウを技工士に渡していました。技工士は上顎模型をフェイスボウを使い、咬合器(咬み合わせを再現する道具)に取り付けます。次にシリコンバイトを使用し、下顎の模型を咬合器に取り付け、これで技工操作がスタートできます。被せ物や詰め物の歯を製作することは細かい手作業で時間と根気のいる仕事です。

図1
 3Shape社のモデルスキャナー:型を取った模型をスキャンします。これは、技工士が使用するスキャナーになります。
図2
 3Shape社の口腔内スキャナーTORIOSです。クリニックで使用し、患者様の口腔内をスキャニングします。
図3
 上顎をスキャニングする時は、スキャンチップは上に向けます。
図4
 スキャンチップはTORIOS本体から外すことができ、オートクレーブで滅菌することができます。
図5
 下顎をスキャニングする時は、スキャンチップは下に向けます。
図6
 口腔内スキャナーTORIOSのスキャンングのイメージ画像
図7
 口腔内スキャナーTORIOSのスキャンングのイメージ画像
図8
 右下臼歯部3本の詰め物するために、切削した歯のスキャニングです。
図9
 右上2番目の被せ物をするために、切削した歯のスキャニングです。
図10
 左上の奥歯2本にインプラントを埋入するために、型を取って製作した模型をスキャニングしました。

 3Dスキャナーを使用すると、パソコンの仮想空間上でデータベースから似た歯を選択し、その人に合った歯の形態に修正します。被せ物や詰め物の縁は拡大し、ピッタリに合わせます。パソコン上で完成した被せ物や詰め物の形をSTLファイルで書き出します。CAMソフトにSTLファイルを読み込み、どの方向から製作するなどの情報を入れます。歯科で使用する3Dプリンターは金属、ジルコニア、セラミック、プラスチックブロックや円盤を削りだして形態を製作する(図11,12)ミリングマシンです。それによって被せ物、詰め物、入れ歯、インプラントの被せ物などを製作することができます。最終的な仕上げ(自然な歯に見えるための細い溝や色そして艶だし)は技工士の匠の技が必要です。
図11
 ジルコニアの円盤をミリングマシンで切削して、被せ物や詰め物を製作します。これをジルコニアの円盤から切り離して個別に仕上げます。
図12
 ジルコニアのブロックをミリングマシンで切削して、被せ物や詰め物を製作しています。

 3DスキャナーのデータはSTLファイルです(図13,14)。CTで撮影したデータはDICOMデータですが、STLファイルに変換します。同じSTLファイルになるとパソコンの仮想空間上に両方を同時に表示することができます。それぞれの位置合わせを3点行うと口腔内を骨のある状態にすることができます。製作する歯の形態を決めてから、インプラントの位置を決めることも可能になります。インプラントの理想的な埋入位置と方向を決める手術用ステント(図15,16)も、3Dプリンターで製作することができます。さらに矯正治療の透明の矯正装置インビザラインにも応用されています。
 3Dスキャナーは歯科治療を大幅に技術革新すると期待されています。私共のクリニックでは世界的にもスキャン精度の高い3Shape社のToriosを使用しております。

図13
上顎の前から4、5、6番目の奥歯が欠損している患者さんのスキャニング画像です。インプラントを埋入する予定です。
図14
 咬み合わさった画像です。
図15
左下の奥歯を失った患者様のインプラント埋入の位置方向をパソコン上で決定します。安心で安全なインプラント埋入は手術前準備が重要です。
図16
 手術用ステントのパソコン上での設計です。これを患者様の口に入れてパソコン上での埋入位置、方向を合わせるために使用します。その後手術用ステントは3Dプリンターで製作します。





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